マイナスの概念

b1.png「お前、1引く2ってわかるか?」

f2.PNG「ええと、リンゴが1個あって、そこからリンゴを2個持っていくと・・・」

b1.png「おいおい、リンゴかよ」

f1.png「はい、持っていくリンゴが1個足りません」

b1.png「じゃあ答えは?」

f1.png「リンゴが無くなるから、1引く2は0です」

b1.png「なるほど、そうなるよなぁ」


かうんさるーから一言
c3.png「マイナスの概念を身につける前はこういう答えになるね」

「マイナス」は、算数から数学に変わる中学1年生で習う概念。これは心理学ではなく数学的な話になるけど、発達障害、特に学習障害なんかと関係する場合があるから伝えておくよ。

えことぶるどくたーの会話のようにリンゴを例にしよう。

「リンゴが1個ある」ということは、誰でも想像できるね。じゃあ、「リンゴが0個ある」というのは想像できる?

難しいね。もし想像できたとしても、点線の輪郭線のリンゴや半透明の架空のリンゴなんじゃないだろうか。でもそれって本当に0個だと言える?「0」っていうのは「無」なんじゃないの?けれど、何も想像しなければ、リンゴではなくなってしまうよね。

さらに、「リンゴがマイナス1個ある」と言われたらどうだろう。もう何がなんだかさっぱり想像できないんじゃないだろうか。

さて、実はあえて想像することの難しいリンゴを例えにしてみたんだけど、これを100m走のコースの例に変えれば全然わかりやすくなるよ。スタートラインが0で、一歩下がれば「マイナス一歩」となる。これならマイナスの概念も簡単に想像できるよね。

これってどういうことかというと、小学生で習う算数の「0」と中学生で習う数学の「0」は意味が違うってことなんだ。算数の0は何も無いという意味で、数学の0は「基準」を示す記号だって知ってた?基準ってことは、0が必ずしも無なのではなくて「はじまり」、つまり任意の点だってことなんだよね。

こういうややこしい「0」とか「マイナス」って概念が、計算することが苦手なタイプの学習障害者のつまづきになることがあるんだ。マイナスの他にも、分数とか割り算の余りという意味がわからなかったりすることがあるみたいだね。

一体どうしてなのか。考えられる可能性を挙げるとすれば、実物に置き換えて想像することがしにくい抽象的な概念だからかな。あとは、割り算については、九九を頼りに結果をあらかじめ予測しないといけない難しさがあるからなのかもしれない(割り算は、九九を逆引きして答えを絞り込んでいく、実はとても効率の悪い計算だって知ってた?余談だけど、割り算は国によって筆算の方法が違うよ)。

想像や推測の障害っていうのが、発達障害とつながりの深いものだって覚えておくといいよ。逆にいえば、こうした難しい概念も身近なものに具体的に置き換えて伝えると、学習していけるようになることもあるよ。

本当は、借金があればもっと身を持ってマイナスの概念がわかるんだけどね(笑)残念ながら、中学生で借金している子はあんまりいない。今の時代じゃ、「ローン」とか「リボ払い」とか教育上積極的に教えるなんて許されそうにないし、借金を例えにするのは諦めたほうがよさそうだね。

自分達ができて当たり前と思っていることが、障害を持った人にとっては当たり前ではないことがある。それは発達障害であってもパーソナリティ障害であっても精神障害であっても同じ。どういう障害なのかを理解し、周囲の人達でサポートしていこうね。
この記事へのコメント
とても参考になりました。
子供のことで悩んでいましたが、
少しすっきりしました。
受け入れることができそうです。
ありがとうございました。
Posted by れのちゃん at 2011年04月06日 13:02
微力ではありますが、決して無力ではないと自分に言い聞かせて当サイトを運営しているので、そう言ってもらえると、こちらこそ励みになります。ありがとうございました。
Posted by モンキークリニック所長 at 2011年04月08日 00:52
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