PTSD(心的外傷後ストレス障害)

n3.png「ふとした時に思い出しちゃうんだよね」

c1.png「どうしたの、何か嫌な思い出とか?」

n2.PNG「血だらけで骨とか内臓とか飛び出しちゃってる場面が目に焼きついちゃって」

c2.PNG「そうか、なや美ちゃん、目撃しちゃったんだね・・・」

n2.PNG「昨日の夜なんか、あたし夢の中で切り刻まれちゃって、怖くて飛び起きたよ」

c1.png「それは思い出というより、トラウマだね」

n1.png「うん、ほんとすごいんだよ。かうんさるーも見てきた方がいいよ、マグロの解体ショー」


かうんさるーより一言
c3.png「そんなオチだと思ったよ」

PTSDは、post traumatic stress disorder(ポストトラウマティックストレスディスオーダー)の略で、心的外傷後ストレス障害と訳されるよ。

戦争や災害、事件や事故といった命に関わるような被害に遭った場合に、PTSDは発症する可能性があるんだ。その特徴は3点。

@侵入体験 A麻痺あるいは回避 B過覚醒

侵入体験というのは、被害体験に関係する物や場面に出会った時に当時の場面を思い出してしまうのはもちろんのこと、日常的に全く突然に、自分の行動とは無関係に唐突に、被害に遭遇している場面を“あたかも目の前で今起きているかのように”思い出してしまうことを言うんだ。それを「フラッシュバック」と呼んだりもするよ。しかも、ただ思い出すんじゃなくて、音や匂い、体の感覚に至るまで再体験させられてしまうから、とても辛いものなんだ。過去の出来事だと頭ではわかっているものの、体(心)は被害体験を忘れることができないんだね。

そういった耐え難い被害体験から自分の身を守るために、感覚が麻痺することがあるよ。PTSDの患者さんは、「何も感じない」とか「悲しいとか辛いという気持ちがわからない」と言ったりもするね。あるいは、被害体験に関係しそうなどんな些細な出来事にも近づかないように、行動範囲が狭くなったり、特定の場所や出来事を避けたりするようにもなる。それが、麻痺あるいは回避という特徴だ。

一方、一見感情がなくなってしまったように見えて、体の緊張状態は物凄いことになっている。それは、同じ被害に遭わないように常に身構えているようなもので、些細な物音に驚愕してしまったり、神経が昂った状態になり眠りが浅くなってしまったりする。そういう状態を過覚醒というんだ。

以上のような特徴的な症状をもったPTSDは、記憶の機能の内、「想起」に関するところに強く障害が起きていると考えられるよ。

被害に遭った人は、過去の辛い出来事を忘れたいと願うけど、自動的に想起して辛い思いにさらされ続ける。一方、被害体験を想起しようとすると、辛すぎて思い出すことができない。つまり、通常は好きな時に好きなように過去の出来事を想起できるんだけど、PTSDになると、想起に関してコントロールがきかなくなってしまうんだ。そういう意味では、PTSDは間違いなく“今、辛い”のであって、「過去の出来事なんだから忘れて、今を生きようよ」なんて励ますことは、全くの論外だね。PTSDの人は、「誰にもわかってもらえない」という気持ちを強く持っているから、まずはその気持ちを理解することが重要だよ。

PTSDに関する理解で、最も大きな誤解は、「過去に辛い被害体験をした」という理解の仕方だよ。そうじゃなくて、PTSDは「今、辛い」のだということを忘れずに支援していこう。対応のポイントについてはストレス反応とトラウマ反応を見てね。



モンキークリニック広報部より謝罪
m1.png「不謹慎な例えで申し訳ありません」

殺人事件や人身事故を目撃してしまい、本当にPTSDで悩まれている方にとっては笑い話では済ませることができないことは承知しています。しかし、そこまでリアルで凄惨な運命を、私達の愛する『なや美』に背負わせることはできませんでした。あくまで楽しみながら精神疾患について広く知ってもらいたいという趣旨のサイトですので、どうか『マグロの解体ショー』という描写でご了承ください。
この記事へのコメント
PTSDはどうしたら回復に向かえますか?
Posted by ドルフィン at 2010年12月18日 14:50
信頼できる精神科医と臨床心理士の両方を見つけることが大事だと思います。

災害や事件、事故等の単回の被害によるPTSDか、虐待やいじめ、暴力等の持続的被害によるいわゆるC-PTSD(またはDESNOS)かで、おそらく方法が違いますので、その辺がわかる治療者と出会えるとよいなと思います。
Posted by モンキークリニック所長 at 2010年12月20日 15:14
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