性依存症

c1.png「皆さんが、やめられないものって何ですか」

b1.png「ワシは何は無くとも酒だ」

k1.png「ワタシは買い物が止められないのよ、通販とか」

a1.png「俺はパチンコ。人生はギャンブルだろ」

tm1.png「私は最近インターネットにハマってしまって抜けられないです」

n1.png「あたし食べ吐き。毎日してるからカリウム不足で手足が痺れて困ってる」

g1.png「アタシはナンパしてきた男とHしちゃうのがヤバいとは思っててもやめられないんだよねー」


かうんさるーより一言
c3.png「ボクはタバコがやめられない」

禁煙外来に通おうかな…。というのは置いといて、今日は性依存症を紹介するよ。でも、性依存症の前に、もう少し広く依存症についておさらいしておこう。

<依存症:概要>
依存症を「甘え」とか「意志が弱い」とか言う人は、依存症のことを知らない人だね。依存症はれっきとした精神疾患。一般的にストレスが関係していると考えられていて、その背景には「寂しさ」が見え隠れすることが多いね。ストレスや空虚感をなんとかしようとして、お酒や薬物に走ったり、買い物やギャンブルにハマったり、つまり、下手くそなストレス解消方法が依存症を形成するんだ。特に薬物依存症やアルコール依存症は重度になると、命を落とすことにもつながるから、ちゃんと専門的に治療を行わないといけないんだよ。依存症では、「耐性」というのがついてきてしまって、どんどんエスカレートしてしまって、自制が効かなくなってしまうという特徴があるから、悪化する前、たいしたことない時期に早めに相談に行こう。

<依存症:分類>
依存症には「物質依存」と「行為依存(プロセス依存)」があるよ。直接、なんらかの物質が体に作用するものを物質依存と言い、なんらかの行動を行うことで、間接的に脳内の分泌物が促進されるようなものを行為依存と言うよ。主な物質依存は、「アルコール依存症」、「薬物依存症」、「ニコチン依存症」なんかで、行為依存は、「ギャンブル依存症」、「買い物依存症」なんかが代表的だね。けど行為依存は十人十色で、何に興奮して依存状態になるかは人それぞれ。ギャンブルと買い物が最も認知されているけど、ギャンブルといってもパチンコ、スロット、競馬、麻雀等様々あるし、買い物でも、洋服、化粧品、通販等そのジャンルは様々。最近ではインターネット依存や携帯電話依存なんかも言われ始めているね。でも「インターネット依存」なんて、実際には、ネットサーフィン、掲示板、オンラインゲーム等、内容的にバラバラすぎるから「インターネット」なんてくくり方じゃまずいんじゃないかと思うんだけど。むしろ、「モニター依存症」とか「ディスプレイ依存症」とかって呼んで、テレビや携帯電話も含めちゃったらどうだろう…。いや、うーん、それはそれで本質をついていない気がするから微妙か…。さて、他には、摂食障害のうち、特に「むちゃ食い(過食)」を依存症に関連した障害と捉える見方もあったり、行為依存の中でも特に人間関係に依存しているような場合は、「人間関係依存」として分ける場合もあるよ。よく女性誌なんかで恋愛依存症なんていうのを見かけたりするのがそれに近いね。ただ、なんでもかんでも「○○依存症」と名づけてしまうのはつくづくよくないことだと思う今日この頃。

<依存症:性依存症>
病的なほど性衝動が強くて、性行為や自慰等によって社会的に問題が生じてしまっているか、本人に苦痛が生じている状態を性依存症というようだね。ただ、現在はまだ正式には依存症の一つとしては認められていないんだ。今後、精神疾患の中に入れられる可能性はあるけど、依存症の中に入れられるのか、衝動制御の問題という範囲に入れられるのかは気になるところ。とりあえず、今は便宜上、性依存症は大きく分けるとプロセス依存に分類できる。または、人間関係への依存の中にも位置づけることができるね。性依存症の弊害は、妊娠や性病、破産、人間関係のトラブル、社会的地位の喪失、犯罪被害に遭いやすいといったように幅広いものだから、放置しないで専門家と一緒に治していったほうがいいよ。性行為自体は悪いことではないけれど、ストレス解消のために行うのはよくないし。それは例えば、イライラして衝動的に壁を殴れば自分の拳を痛めてしまうのと同じく、ストレス解消のためにいたずらに性行為を行えば自分の体や心が傷ついてしまうという結果になるということ。確かに、一時的にストレス解消や自己肯定感を持てるような気がすることもないことはない。性行為で、男性は自分の力を確認できたり、女性は自分の魅力を確認できたりする。でも、終わってみれば愛の無い行為の後に残るのは、結局、虚しさなんだよね。そして、またその虚しさを埋めるために別の相手と…。性依存症かどうかのレベルの目安は、例えば、友達の恋人であってもお構いなしとか、会社の同僚と何人もとか、出会い系サイト等で出会った不特定多数の相手と性行為を行ってしまうとか、職場で自慰を行ってしまうとか、家で一日中自慰を行っているとか、性風俗店に何十万、何百万とつぎ込んでしまったりとか…、その形は様々だけど、いわゆる「一般社会」から逸脱してたり、自分でひどく悩んでいるかどうかという曖昧な基準でしかない。自分じゃ判断がつかなければ専門家に相談してみたほうが早いよ。

<依存症:多重嗜癖>
依存症は、依存する対象が移ろったり複数に増えたりすることも多いよ。それを、多重嗜癖(クロス・アディクション)というんだ。アルコール依存症に続いて薬物依存症になったり、買い物依存症が収まったと思ったら摂食障害が始まったり、自傷行為が始まったり、性的に逸脱してしまったり…。上から押さえつけても横に逃げてしまうのが依存症の一つの特徴。モグラたたきみたいでもある。けれど、あきらめずに治療していこう。

<依存症:治療と予後>
ショックを受ける人もいるかもしれないけれど、一般的に依存症は「完治しない」ということで了解されていると思う。完治のかわりに「寛解(かんかい)」という言葉が用いられることが多いんじゃないかな。寛解は、症状が治まっている状態のことで、強いストレスがかかったりすれば、また再発する可能性があるということ。完治しないと聞くと悲観的になっちゃうかもしれないけど、治らないのとは違うから、気になる人は寛解という言葉について自分で調べてみてね。依存症になってしまうと、「1回だけなら大丈夫」があっという間に依存症を「再発」させる。だから、断たなくてはいけない。禁じなくてはいけない。節制ではうまくいかない。アルコール依存症の治療では、「節酒」ではなく「断酒」が絶対なんだよね。ただ、断酒というのを続けるのは本当に大変で、とても自分一人でできるものではない。人間はそんなに強くない。だから、カウンセリングを利用したほうがいいんだ。または、「自助グループ」に参加するとかね。自助グループとは、患者が集まって、それぞれ自分の事情を匿名で話して、互いに支え合う場。アルコール依存症の自助グループは、「アルコホーリクス・アノニマス」略して「AA」と言われているよ。性依存症の自助グループは少ないようだけれど、下記のサイトみたいなところもあるみたい(現在、稼働中なのかは不明)。

無名の性依存症者の集まり
http://www15.ocn.ne.jp/~ggmts7/


<依存症:性依存症に対するカウンセリング>
性依存症に対するカウンセリングでは、依存としての性行為や自慰が行われる背景にどんなストレスがあり、どんな引き金(トリガー)があるかを明らかにしたり、どうやって誘惑を遠ざけるか考えたり、代替案を探ってみたりするよ。もし、もっと過去に遡って自分の性格的な背景も見直してみたいならば、時間をかけて生育歴を振り返ってみたりもする。そうして、自分がどういう人間で、どういうところが苦手で、どういうことができるかを知っていく。依存症に負けないために。けれど、いわゆる「治療」はスムーズにいかないことが多いもの。治療中に依存行為に手を出してしまうことを「スリップ」というんだけど、これがなかなか避けがたい。だから、スリップしても責め立てることはせず、落ち込む本人を受け入れ、治療への取り組みを励まし、そうして次第に依存から抜け出していく過程にカウンセラーは寄り添っていく。また、そもそもカウンセリングは、タブーを扱うという点においては優れていると思う。死や性に関してオープンに話せるという場は、なかなか無いもの。そこには、カウンセラーの個人的な価値観は持ちこまれないし、簡単には答えの出ないような話でも、繰り返し、いろんな角度から考えられる場だし。だから、性依存症の方には相談先の第一候補としてカウンセリングを選ぶことをお勧めするよ。

<おまけ>
依存症の特徴を考えてみると、「夢中になり」、「快楽が伴い」、「満たされる(埋められる)」という流れがあるわけで、何か他にそういう流れで安全性の高いものはないかと考えていたら、クロスワードパズルなんてどうかなと思い浮かんだんだけど、調べてみたら、すでにクロスワードパズルを依存症治療に取り入れている医師がいるらしいという噂。クイズで頭を悩ませ、解ければ喜び、マス目が埋めっていく。たとえ、「クロスワードパズル依存症」なんてことになっても、破産するほどの雑誌はないし、体への負担も少なそうだし、確かに良さそうだなとは思うんだけど、解けない問題の出現で、すぐに投げ出す可能性もあるよなぁとか考えてるところで、今日のところはおしまいにしようと思うよ。じゃあまたね。
タグ: 性依存症
この記事へのコメント
性依存症の紹介どうもありがとうございます♪
おかげで性依存症を始めとする様々な「依存症」について理解出来ました♪
宜しければ、またリクエストをしても良いでしょうか?
Posted by テル at 2011年08月27日 04:38
リクエストどうぞ^^
でも次はもう少し短めに書くそうです(笑)
Posted by モンキークリニック所長 at 2011年08月28日 01:04
依存症についてやっと分かってきたような気がします。ありがとうございます!

ただ、絶対断酒、、、節制が効かないというのは自分でも気づき始めていたのでショックではありましたが^^;)

性依存症については自分は全く関係ないと思っていたのに最近絡みだしたので興味深く読ませてもらいました。

  


Posted by きり at 2011年09月15日 02:33
私の師匠が言っていました。
「傷ついて、気づいて、築く」と。
精神疾患からの回復過程を端的に表現された名言です。
ただ、もしかしたら、依存症やパーソナリティ障害の場合は、
きりさんが「気づき始めていたのでショック」と書かれているように、
「気づいて、傷ついて、築く」という順番で回復していくのかもしれないなと思いました。
コメントありがとうございました。
Posted by モンキークリニック所長 at 2011年09月15日 23:53
依存症のお話しありがとうございます。とてもわかりやすかったです。

私自信、自分のある行為に疑問があったのですが、一種の依存であるように思えました。
そう思うとすっきりします。

また読ませていただきます。
Posted by Angie at 2012年04月08日 09:25
依存は認めることが回復の第一歩です。
依存行動より安全な行動が取れるようになるといいですね。
コメントありがとうございました。
Posted by モンキークリニック所長 at 2012年04月13日 00:01
私は何度もここにきて勉強させてもらっています。
分かりやすく面白いので、暗い感じで自分を知るのではなく、「そうなのかぁ♪」って、自分の知らなかった部分を発見する!って感じで覗かせてもらっているんです。
今回の記事では依存症を扱って居られますが、私はリストカットが止められず毎日切ってしまいます。
学校に行っていた時には、切らないように保健室の先生にカッターを預けたら禁断症状が出てしまったんです。
主治医に話しましたところ、アルコール依存症の方と同じ、禁断症状だそうです。
そこでリクエストさせて頂きたいのですが、禁断症状についても詳しく知りたいのです。
長くなってしまいましたが、宜しくお願いします。
そして、この様なサイトを立ち上げていただきありがとうございますm(_ _)m♪
Posted by Ami at 2012年05月03日 16:26
コメントありがとうございます。励みになります!
なるほど、リストカットも習慣化してしまい、切らないように我慢した時に禁断症状(離脱症状)が出てしまうなら、確かに依存症と同じかもしれません。
どちらかと言えば、リストカットは、「行動の依存症」に属するので、アルコール依存症というより、ギャンブル依存や買い物依存の仲間だとは思いますが、
どうもリストカットを行うと、エンドルフィンという脳内物質が出るらしいという話もあり、そう考えるとアルコールや薬物といった「身体的依存」に近いのかもしれず、、、。
その辺のところは医療にまかせて、ここでは心理面からリクエストにお応えしてみようと思います。
次の記事までしばらくお待ちください^^
Posted by モンキークリニック所長 at 2012年05月07日 23:10
私はもう15年ほど、毎日欠かさず頭痛薬を飲んでいます。今行っている精神科は一年以上前から行っていますが、初診のときに言いました。「基本それは認めてないからね」と言われました。それ以来 頭痛薬の話はしていません。
カウンセラーにも話していません。
頭痛薬、多い時は一日10錠くらい飲みます。痛いので。でも最近は精神科の薬も飲んでいるので、かなり控えめです。多くても4錠くらい?いや、もっと??
でも、「今日は飲まない」って決めてて頑張っていたら、めまいがして、熱がでてきて、体も熱くなって たまらなくしんどくなります。そして寝込みます。あまりのしんどさに結局飲んでしまいます。そしたら落ち着きます。

たまに飲みすぎているのか、頭が覚醒する感覚があります。言葉では言い表せませんが、覚せい剤を飲んでいる人の気持ちが少しわかるような気がします。
時には「ハイ」な気持ちになって「なんでもできそうな気持ち」になれることがあります。これは抑うつの状態の自分にとって、とてもうれしいことなので、それがまたやめれない理由でもあります。

あと、買い物も最近不安です。職に就いている時でも「帰りは買い物♪」と思って頑張っていたりしました。でもまだ無駄遣いは少なかったと思います。
今はしばらく仕事もしていないのに、買い物ばかりしてしまいます。ネットも含んで。基本家を出れないので(親が過干渉のため)たまに家を出れると、買いたかったものをいっぺんに買ってきます。
よく考えているつもりだし、まぁまぁ必需品(だと思う)ので、万単位のものとかも買います。まだ「考えれている」ので「依存症」とまでは行かないと思いますが、このまま貯金が無くなって、しまいに良くないところに手を出してしまったらどうしようかという不安と闘っています。
ちなみに職を探そうとすると、過呼吸がおこりあまりのしんどさに倒れます。その理由は「人間関係」を築くのがとても億劫だし、あと「家庭内」のストレスがあるので、それをまた必死で隠してニコニコと仕事をしなければいけないと考えると、もうダメです。
働けないなら もう死んだほうがましなのかとさえ思います。
もうどうしたらいいかわかりません。
Posted by まゆ at 2012年07月20日 19:06
未治療の依存症の人は「自分は依存症ではない」と言うのが特徴なので、正直なところ、まゆさんが依存症か依存症ではないかはわからないなと思ってしまいました。
依存症じゃない人のほうが、「もしかしたら自分は依存症かもなぁ」という感じで、自分の行動を見直そうとすることが多いです。
もしまだ依存症でないなら、依存症手前で止められるといいですね。
死んでもいいか、と思っている人が働くって、かなり大変ですよね。生きていこうという動機を満たすための方法が働くということなので、動機のないまま方法だけやるというのは、非常に無意味に感じるはずなので。
確かにどうしたらいいのかわかりません。。。
Posted by モンキークリニック所長 at 2012年07月26日 00:49
そうなんですね!「生きていこうという動機を満たすための方法が働く」なんですね!
なぜ私は働けないのか、働けても苦しくて辞めてしまうのか、根本的な理由がわかったような気がします!
確かに「なんで生きていたくないのに働かなければならないの?」と思うことがあります。
もう「生きていく」ということが苦しくて、ただ「生きる」だけが精一杯になり「働く」という余裕さえ無くなってしまいます。
私は5歳くらいのころから未遂していたり、死にたいと思わない日は無いまま20年以上経ちました。
なんかもやもやしていた部分が すごくスッキリしました!
本当にありがとうございます!
いつも簡潔ながら「なるほど!」と思えるこのHPとコメントに、所長さんはすごいなぁと思っていましたけれど、やっぱりスゴイです。
ありがとうございました!
Posted by まゆ at 2012年07月26日 09:43
追記:
こちらにコメントした日からほとんど頭痛薬 飲まずに過ごせました!
まだ、完璧にとはいきませんが(^_^;)

モンキークリニック大好きです!
ありがとうございます!!
Posted by まゆ at 2012年07月28日 12:13
おお!ストレートに言ってもらえるとすごく嬉しいですね。
こちらこそありがとうございます。

しかし、人間はなんで生きていかなきゃいけないんでしょうね。。。
誰か答えを知っていたらこっそり教えてください。
Posted by モンキークリニック所長 at 2012年08月04日 22:27
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]
※所長とカウンセリングをしているクライエントが書き込んでしまうためコメントの受付を停止しています。

この記事へのトラックバック
サイトの説明
モンキークリニックはインターネット上にしか存在しない架空の名称です
MONKEY(モンキー):[名]小型の尾のある猿 [動]ふざける
CLINIC(クリニック) :[名]臨床講義/臨床教室/診療所
このページではパーソナリティ障害,人格障害,治療,カウンセリング,臨床心理,心理士,心理療法,精神疾患,発達障害,統合失調症,気分障害,うつ病,双極性障害,躁うつ病,気分変調性障害,ディスチミア,心的外傷後ストレス障害,PTSD,急性ストレス障害,適応障害,解離性障害,不安障害,パニック障害,強迫性障害,恐怖症,摂食障害,拒食症,過食症,依存症,身体表現性障害,性同一性障害,失調型パーソナリティ障害,スキゾイドパーソナリティ障害,妄想性パーソナリティ障害,境界性パーソナリティ障害,自己愛性パーソナリティ障害,演技性パーソナリティ障害,ボーダーライン,BPD,反社会性パーソナリティ障害,回避性パーソナリティ障害,依存性パーソナリティ障害,強迫性パーソナリティ障害,注意欠如多動性障害,ADHD,学習障害,LD,自閉性障害,自閉症,アスペルガー障害,家庭内暴力,ドメスティックバイオレンス,DV,モラルハラスメント,セクハラ,パワハラ,いじめ,ひきこもり,アダルトチルドレン,ミスターチルドレン,リストカット,オーバードーズ,ODといった概念について猿なりに解説しています。
臨床心理士各位
内容に多少の脚色や都合のよい解釈、偏った意見などが見られると思いますが、まずはどんな方にも興味を持って読んでもらえないと意味がないと考えてのことです。大目に見てくださいますよう宜しくお願い申し上げます。 カウンセリング普及プロジェクト
カウンセリングはかっこわるくない!

キーワード

パーソナリティ障害

カウンセリング

臨床心理士
ひきこもり
モンキークリニックロゴ