アスペルガー障害:4つのタイプ

n1.png「なんか空気読めない奴がいてうるさくて困ってんだけど」

b1.png「そりゃ、アスペかもしれないなぁ」

n1.png「何考えてるかわからなくて行動が読めない奴がいるんだけど」

sh1.png「それは、アスペルガー症候群かもしれないね」

n1.png「いつもヘラヘラ笑ってて、いじめられてる奴がいるからなんとかしてやりたいんだけど」

t1.png「もしかすると、その人はアスペルガー障害かもしれないわね」

n2.PNG「もう…一体アスペルガーってなんなのさ」


かうんさるーより一言
c3.png「爆発的に名称が広まったアスペルガー障害。その実態とは…」

アスペルガー障害は、それを発見したハンス・アスペルガーという小児科医の名前をとって、アスペルガー障害またはアスペルガー症候群って言うんだ。障害か症候群かは論点となっていて、まだ結論は出ていないけど、ここでは障害で統一しておくよ。

アスペルガー障害は、発達障害の中で、自閉症に関連する障害として捉えられているよ。その2つを連続したものとして、「自閉症スペクトラム」と表現したりもする。スペクトラムとは「帯域」という意味だね。健常者〜アスペルガー障害〜自閉症という帯で、自閉性の軽症から重症までをグラデーションのように考えたんだね。発達障害の内訳を、下記のように位置づけている研究者もいるよ。若干誤解を生じさせそうな面も含んでいる表だけど、わかりやすいね。

自閉性:高自閉性:低
知能:高アスペルガー障害ADHDやLD
知能:低自閉症知的障害


アスペルガー障害や自閉症は、「3つ組の障害」という特徴を持っているよ。これらの障害が強くあると、「自閉性が高い(強い)」と言えるんだ。ただ閉じこもっていたり、ひきこもっていたりすることが「自閉」なのではないから誤解しないようにね。この3つ組の障害がハッキリしていて、知的障害も付随すると自閉症。3つ組の障害が部分的で、知的障害が無いのがアスペルガー障害と覚えておくといいよ。

3つ組の障害
@社会性の障害
Aコミュニケーションの障害
B想像力の障害
@社会性の障害
噛み砕いて言えば「空気が読めない」ということ。場の雰囲気を察して自分の振る舞い方を変えたりすることができない。TPOに合わせた服を着ていくということも難しい。社会的に自分が何を望まれているかがわからない。

Aコミュニケーションの障害
二者間における意思伝達の障害。それは言葉だけでなく、ジェスチャー等も含む。言葉では、比喩やことわざが理解できない。「へそで茶をわかす」なんてさっぱり意味がわからない。皮肉や嫌味もわからない。例えば「あなたは気楽でいいわよねぇ」なんて言われも、ほめられたと感じてしまいかねない。目くばせ、アイコンタクトで意思の疎通を行うなんてことは、極めて困難。

B想像力の障害
相手の目線から自分を見てみるという想像ができない。だから、自分の動作や仕草が奇妙であったとしても気がつかない。時系列的に何手も先の複雑な事態を想像することもできない。目の前のものは「ただ在る」ので、その背景にどんな事情があるのかも想像することができない。つまり、未来に対しても過去に対しても、思いをはせるということが極めて苦手。できたとしても、極端に偏っていたり、非現実的な思い込みを持ってしまっていたりする。


さて、ここからが今回の本題。アスペルガー障害の4つのサブタイプについて。内面的な違いというよりは、表面上、行動面の違いによる分類だね。抱えている基本的な障害は同じなんだけど、どのようにその障害に自分なりに対応しようとしているのか、ということが違うってことなんだろうと思うよ。

アスペルガー障害の4つのサブタイプ
@積極奇異型
A受け身型
B孤立型
C大仰型
@積極奇異型
アスペルガー障害のうち、特徴が前面に現れるタイプなので、最もイメージされやすいタイプ。このタイプは残念ながら、一般の人に「不快感」を抱かせてしまうことが多いもの。会話時にその特徴がよく現れるよ。少し詳しく見てみよう。

a)例えば、真正面や真横に妙に近い距離に立って話したりするよ。対する人は、「近い、近い」と当人から少し距離を取ることになるね。これは、一般の人の対人距離感覚というのがわからないから起こることなんだ。「社会性の障害」にあたるね。距離が近いから、暑苦しかったり、ツバが飛んで来たりと、対する人は不快に思うわけ。アスペルガー障害の人が、こういう特徴を修正するには例えば「人と話す時は、1m以内には入らない」という感じで具体的に学習する必要があるよ。親しい人かどうかを基準に距離感を考えたりするよう教えるのではなく、明確に数字で示してしまったほうがアスペルガー障害の人にとってはわかりやすい場合も多いからね。

b)不相応に大きな声で話したりもするよ。場面に応じて声の大きさを調整するということが難しいからだね。当人はいつでもどこでも「普段通り」に話しているだけだから、何がいけないことなのかよくわからないことが多いみたいだね。これも「社会性の障害」にあたるよ。

c)突然、当人の知っている難しい知識を一方的に話し始めることもあるよ。相手が望む情報の程度がわからないからだね。これは「コミュニケーションの障害」にあたる。聞かされている方は、興味がないということを示すために、時計をチラチラと見てみたりするけど、当人にとっては「時計を頻繁に見ている」⇒「時間を気にしている」⇒「話をやめてほしいんだ」という想像をすることができなかったりするわけだ。ただ、「この人は、何度も時計を見るなぁ」くらいは気が付くので、知的に高いと、それが話をやめるタイミングなんだな、と体験的に学習していたりすることもあって、そういう人は社会的に適応できていたりもするよ。

以上、根底に共通しているのは、「想像力の障害」かな。相手の立場に立って、今自分がどのように見えていて、どのように振る舞うことが求められているのかということが想像できないということだね。相手に合わせて自分を変える、ということは何気にかなり難しいことなんだよ。さて、以下はそのほかのタイプ。簡単に違いを見てみよう。

A孤立型
積極奇異型に対して、逆に、全然人に近寄らないタイプ。表情も乏しく、周囲の動きに関心を示さない。周囲から見ても、当人が何を考えたり感じたりしているかわからない。逆に、当人は自分がそんな風に思われているとも想像できない。このタイプは、パーソナリティ障害の「スキゾイドパーソナリティ障害」と間違えられちゃうこともあるね。集団から離れたところで突然行動を始めてしまうこともあって、誰にも気が付かれなかったり、逆に驚かれたりすることがあるよ。

B受身型
常にニコニコしているようなタイプ。だから、もしかすると最も誤解をされることが多いかもしれない。よく理解できていなくてもニコニコ、困っていてもニコニコ、辛くてもニコニコ。一見、なじんでいるように見えることも多い。主張することもあまりない。よほど嫌なことでない限り、拒否したりはしない。ただし、素直に応じたように見えて、やりたくないことなどは休んでしまったりすることも多い。そういう意味で、見過ごされてしまっていることもあるので気をつけたいところだね。

C大仰型
いわば修行僧のようなタイプと言えないこともない。背筋は伸びていて、動きはゆっくりという印象。沈思黙考というように目を閉じていたりもする。同年代に対しても、敬語を使ったりするよ。「私は、そのようなことは存じ上げません」などと日常会話の中で話すこともしばしば。焦らず自分のペースを崩さないので、逆に集団適応があまりよくない場合もある。礼儀正しい(正しすぎる)ので、それほど人を不快にさせることはないが、イライラさせてしまうことはある。

以上、「できない」づくし、「苦手」づくしのアスペルガー障害のサブタイプの紹介になってしまったけど、実際には「できる」こと、「得意」なことも結構あるものだよ。そういうのを見落とさず、伸ばしてあげられるように支援したり、自信が持てるように関わっていくことが、僕らの仕事と言えるね。
この記事へのコメント
アスペルガー障害は、言語の遅れの伴わない自閉症のことかと思っていました。つまり、これまでは私は「自閉症 - 言語の遅れ = アスペルガー障害」だという理解でした。自閉症やアスペルガーがADHDやLDと同じ表に収まっているということも驚きました。いろいろ勉強になりました。
Posted by 通りすがり at 2011年09月16日 14:54
コメントありがとうございます。
一般的には「自閉症 - 言語の遅れ = アスペルガー障害」というような理解の仕方でほとんど問題ないと思います。むしろ混乱させてしまったらすいません。
また、自閉症・アスペルガー障害とADHD・LDについての表は、「同じ表に収まっている」というより「同じ表に収めている研究者がいる」くらいに思ってもらえたらと思います。こちらの表は、一般的ではないので参考程度にしておいてくださるとよいかと思います。
Posted by モンキークリニック所長 at 2011年09月16日 19:30
いつもリクエストに答えて下さってありがとうございます♪
おかげでアスペルガー障害についてよく理解出来ましたよ♪
今後とも宜しくお願いしますね♪
Posted by at 2011年09月18日 05:48
こちらこそいつもありがとうございます。
時間を見つけ次第これからも更新していくつもりです。
今後ともよろしくお願いいたします。
Posted by モンキークリニック所長 at 2011年09月19日 10:04
では、更新待ってますからね♪
Posted by テル at 2011年09月24日 20:26
私は理数系の人間で、今はITのエンジニアをしています。
自己診断ですが、私はおそらく軽い孤立型だと思います。
空気は読めるし客観視も人並み以上ですが、過集中やスルーのできなさをみて、そう判断しています。

今まで趣味の世界で2人、仕事で3人ほど、中程度以上のアスペルガーと思われる人を知っています。

そのうちの2人は典型的なアスペルガーでした。一人は完全な積極奇異型、もう一人は受身型かな。でもすごいガンコなこだわり持ちでした。

中程度・重度の彼らに共通するのは、自分が普通と違ってることを自覚できていない。
人から言われても認めないか、認めても直す気が無い。
Posted by 最近周囲のアスペルガー率が高い at 2014年02月15日 17:47
障害は、少なくとも異なる2か所以上で同じ問題行動を起こしていることが、複数の人に確認されているなら可能性を考えてもいいですが、1か所だけで、お一人だけで何人もの相手をアスペルガーではないかと考えるのは、再検討の余地があると思います。
一度決めつけてしまうと、「アスペルガー障害ではないかもしれないという可能性」が失われてしまうので、逆に、今一度、自他ともに、「アスペルガー障害に当てはまらない特徴」の方をピックアップしてみてはどうでしょうか。
また、頑固・こだわりに関しては、強迫性障害、強迫性パーソナリティ障害の方も持っていますし、自己愛性パーソナリティ障害の方も人に言われたことに耳を傾けません。
専門職でも、何度も何度も本当に当てはまるのか考え直すものですし、「○○かもしれない」といきなり特定するのではなく、複数の可能性を考えた上で、「□□ではない」、「△△でもない」と除外していき、除外しきれず残ったもので「○○かもしれない」と判断していくんです。
Posted by モンキークリニック所長 at 2014年02月25日 13:12
主人がアスペルガーではないかと最近感じてます
結婚して20年、優しい主人に少しづつ違和感を感じてくるようになりました

主人は15年前に人間関係で仕事を辞めて非常勤の仕事をしています、その間 主人の実家の借金のためサラ金から500万借金して、返済のため幼い子供たちの世話をしながら昼、夜と働きづめノイローゼ手前まで追い詰められてる私に、労わりの言葉一つなく、マイペースで生活してる主人、その間浮気したり、ネットで高額請求がきたり…

借金の返済が済んでも ありがとうも、苦労かけてすまないの言葉一つなく、心が折れそうになった時は「私頑張ってるよね、そう思わない?」と言うと 「そうだね」と言ってもらって無理矢理心を落ち着けてきました
その後も、この人はお金の管理ができない人だからと、子供の学費が
滞ってても、心配かけないようにと「大丈夫、何とかなるから」と言っていたら
その後に私の知らない臨時収入を全部使い果たしていました…しかも使途不明
さすがに何かおかしいと、ずっと心の奥にしまってた感情が膨らんできました

今も主人は非常勤の仕事のため収入が少ないため、私は通常の仕事の他に土日祝日はバイトしています、休みが全くない生活をずっと続けています、子供たちも成長と共に父親がどこかおかしいと思い始めてきてるようです
この文だけだと主人はひどい人のように思われるかもしれませんが、とても優しい人です
学歴も国内で一、ニの有名私立大卒、アメリカ留学の経験もあります
私は、これから主人とどう接していけばいいか、アスペルガーだった場合対処など模索してる日々です、それと同時にアスペルガーであれば今までの不可解な行動が納得できます
これからの人生の関わり方を勉強する必要がありそうです
まとまりのない文になってしまいましたが、
色々検索しててこちらに入りました、通りすがりの者ですがコメントさせていただきました。
Posted by クロちゃん at 2014年04月24日 11:41
20年は、一言で大変ですねなんて言葉では、とてもおさまらない時間の長さですね。本当に苦労されたでしょうし、今もまだ、終わりが見えない心労が続いていることでしょう。
ただ、アスペルガー障害であると思い込む前に、一度は、専門の相談にいかれたほうがいいと思います。アスペルガー障害以外の可能性を除外することも大切です。
また、アスペルガー障害だとしても、症状の出方は様々です。また、損なわれている機能も、突出している機能も人それぞれです。短所ばかりが目についてしまうものですが、長所を活かしていく関わり方が重要になります。そういう意味でも、臨床心理士に相談することをを検討されるといいと思います。
Posted by モンキークリニック所長 at 2014年05月07日 17:08
大仰型です。
誰彼構わず敬吾でしか話せません。
会社のボーリング(遊び)で、新調したキチンとしたキチンとしたオシャレをして行ってしまい笑われました。

丁寧に説明しすぎるので、バカにしているように聞こえる事があるみたいですね、
Posted by あさ子 at 2015年03月24日 22:09
ボーリングは全部ストライク取るような人とは一緒にいっても勝負にならないから、楽しくないですよね。
全部ストライクとれる人はプロになったらいい。
同じように、全部敬語の人と話すのは楽しくはないものです。でも、だからといって必ずしも直すべきではなく、逆にいっそ、敬語のプロと言われるくらいの人になることを目指してしまう方がいいかもしれませんね。特化するというのも生きていく術ですから^^
Posted by モンキークリニック所長 at 2015年04月22日 13:00
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