べき思考:認知の歪み(3)

t1.png「あなた、最近、ブログ書いてるらしいじゃない」

c1.png「ええ、モンキークリニックというブログを書いてますよ」

t1.png「それって臨床心理士の態度としてどうなのかしら」

c1.png「どういうことです?」

t3.PNG「そういうことは慎むべきじゃないかって言ってんの!」

c1.png「多少ふざけてますが、倫理的に違反している程とは思っていないのですが」

t3.PNG「だから、なんでふざけて書くのよ!やるならちゃんと書きなさいよ!」


かうんさるーから一言
c3.png「ボクは誰に何を言われてもユーモアを捨てる気はない」

「すべき思考」や「すべし思考」と言ったりもするんだけど、つまり、英語で言うところの“must”だね。「〜ねばならない」「〜に違いない」っていう考え方が強いことを、ここでは「べき思考」と呼んでおくよ。

べき思考は、本当に人それぞれいろいろ持っていて、これといったものは挙げづらいんだけど、口癖にはハッキリみられるものだよ。「普通○○すべきじゃないですか?」、「当然○○すべきですよね」なんて感じで使われるんだけど、ここでのポイントは、“普通”とか“当然”とかがくっつくってこと。これは、「私だけの意見じゃなくて、世の中の“みんな”が同じ意見なはず」という常識観が関係している場合もあれば、「誰がなんと言おうとこれが正しい」という正義感が関係している場合もあるね。いずれにしても、「正解は1つ」という柔軟性の無い考え方だとは言える。

でも、現実は、正解が1つではないことがほとんど。立場によって、状況によって、見方によっていろんな考えや行動があってよい。実は、べき思考が強い人は、白黒思考が強い人同様、曖昧さに耐えられないという弱さを持っているんだ。どんなに偉そうに自信がありそうでも、こうするべきだ!と言っている人の気持ちの根っこの方には、不安がある。不安が強い人ほど、べき思考によって他人にも同じ行動をとらせたがる。みんなも自分と同じだと安心するからね。でも、ほんとに自信がある人は、他人に強要しないものなんだよ。

べき思考の変形として、「○○しなきゃ」と言う口癖もかなり多くみられるよ。その口癖は、「○○しなきゃ“いけない”」「○○しなきゃ“ダメ”」という後半を省略しているというところがミソで、実は、「○○していない現在の自分(相手)は、いけないダメな存在」という否定の表現なんだ。だから、「○○しなきゃ」と言っている人は、焦りや追われている感じがしたり、気が休まらないからピリピリしていることが多い。

べき思考は、自分にも他人にも厳しくなりがちで、がんじがらめになって身動きが取れなくなってしまうことも多いもの。特に「頑張るべき」、「頑張らなきゃ(いけない)」という言い方は、うつ病にもなりやすい表現なのでそろそろやめようか。頑張れるなら頑張った方がいい。でも、頑張れないときがあってもいいじゃないか。「そんな考えじゃ甘い!」とか言われそうだけど、たとえ言われたとしても、頑張り続けてうつ病になって自殺しちゃう人がまだまだいるなら、「甘くて何が悪い」と言い張ろうとボクは思うよ。

「あぁ、お掃除しなきゃ」、「あぁ、お洗濯しなきゃ」、「あぁ、お迎えに行かなきゃ」、「あぁ、お買い物に行かなきゃ」…等々、お母さん達は毎日一生懸命頑張っている。でも、○○しなきゃ母親失格というわけじゃないということを忘れないように。サボってよし。「でも、夫は会社で働いているし、私も頑張らなきゃ」なんて考えなくて大丈夫。だって、夫だって会社でうまいことサボっているから(笑)というか、いかにサボるかしか考えてない人もいっぱいいる(笑)家事をサボらない主婦の方がきっと多いよ。

そういえば、カウンセリングでは、クライエントに「わかりました!もっと家事をサボるべきなんですね!」なんて言われてしまって苦笑い、なんてこともよくあるね。べき思考が強い人は、逆にサボるのが大変なんだろうなぁ。



認知の歪み
@白黒思考
Aマイナス化思考
Bべき思考
C感情的推論
D飛躍的推論
E部分的焦点づけ
F自己関連づけ
G過度の一般化
H過大評価・過小評価
Iレッテル貼り
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