感情的推論:認知の歪み(4)

a2.png「こんなに俺はお前のことを考えて言ってるのに、なんでわからないんだ!」

n1.png「わからないし、わかりたくもないし」

a1.png「俺をこんなに苦しめているお前は嫌な奴ってことになるぞ、それでいいのか?」

n2.PNG「なんであたしが嫌な奴になるのよ」

a1.png「お前は人の気持ちがわからない心の冷たい奴なんだな」

n3.png「…もうやだ、あっち行ってよ」

a3.png「チッ、ちょっとでもお前に期待した俺がバカだったぜ」


かうんさるーから一言
c3.png「なや美ちゃんは心の冷たい人ではなくて亜熊に冷たいだけ」

感情的推論は、情動的推論、情緒的推論、感情的決めつけ、情緒的理由づけなんて言われたりもするよ。これは、自分の感情を手掛かりにして、物事を推測するということ。本来、直接的に関係のない「自分の感情」と「出来事」を結び付けてしまったり、「自分の感情」から「相手の感情」を決めつけてしまうのが、感情的推論なんだ。「○○だから、△△なはずだ」と、直結させてしまうのがよくないってことね。

例えば、「こんなに不安なんだから、絶対うまくいかない」というのが、感情的推論の例では一番わかりやすいかな。でも、実際は、不安でもうまくいくことはあるから、その推論は間違っている。

ただ、微妙な違いなんだけど、「こんなに不安なままでは、“本番でも緊張して”うまくいかないかもしれない」というと、あながち間違いとは言えなくなってくる。不安が緊張を引き起こして、緊張が失敗を招くということはありえるから。「うまくいかないかもしれない」が「うまくいかないはずだ」という決めつけになったら、認知の歪みと言えるかな。

他にもちょっと挙げてみよう。
・こんなに私が楽しいんだから、相手も楽しいはずだ。
・夫が私に暴力を振るうのは、きっと私がめそめそ暗い気持ちでいるからだ。

確かに、自分が楽しくて相手も楽しいことはあるし、めそめそ暗い妻に対して夫がイライラしてしまうこともある。けれど、上記はどちらも、推論としては間違い。関係はあるのかもしれないけれど「原因」と「結果」ではない。長い目でみると、こういう考え方のクセはできれば直したほうがいいかもしれないね。以下に、どうやって考えたらいいか書いてみるよ。

前者の例では、私が楽しいことと相手が楽しいことは別だと理解しよう。相手には相手の感じ方があると尊重しよう。夫婦であっても、恋人であっても、親友であっても、親子であっても感じ方は違っていい。残念だけど、自分が楽しくても、相手は楽しくないことだってある。まずは、自分の感情をちょっとだけ横に置いておいて、しっかりと相手の言葉を聴いて、表情や態度を見ることが大切だね。そうすれば、違う感じ方をする人同士が、同じ出来事で一緒に楽しめるということが当たり前のことではなくて、嬉しいことだって気がつくかもしれない。

後者の例では、夫の暴力は、妻の感情とは別の問題だとハッキリ認識することが大事。妻がどんな感情を持っていても、夫が暴力を振るうことはいけないこと。たいていのDV(家庭内暴力)夫は、「お前が○○だから、仕方なく手が出てしまうんだ」と、妻の態度のせいにする。妻も上記のような感情的推論で、自分に非があると錯覚してしまう。すると、DVの悪循環から抜け出せなくなる。自分の感情と相手の暴力を結びつけずに、暴力は拒否していこう。一人じゃ難しかったらカウンセリングに行こう。

あと、DVとくに性的暴力の加害者男性にも感情的推論のような認知の歪みがみられるよ。性行為時に、女性が痛がったり嫌がったりしても、男性の方は「俺がこんなに気持ちいいんだから、お前も本当は気持ちいいんだろ」という間違った推論をしていたりするってわけ。これを読んでいる男性は、その誤りに気がつこうね。そして、これを読んでいる女性は、我慢せずに相手の男性にちゃんと伝えて、大切にしてもらおうね。


認知の歪み
@白黒思考
Aマイナス化思考
Bべき思考
C感情的推論
D飛躍的推論
E部分的焦点づけ
F自己関連づけ
G過度の一般化
H過大評価・過小評価
Iレッテル貼り
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