ない思考

n3.png「私なんか才能ないし、努力もしてないし、生きてる意味がない気がする」

c2.PNG「今までに、頑張ったことや、生きてる意味を感じたことは一度もない?」

n1.png「よくわからないけど、誰の役にも立ってないし、生きてちゃいけないと思う」

c1.png「そう思っていたら、自分のことが好きになれないのも仕方ないかもね」

n1.png「まぁ、最近はそんなに自分を嫌いじゃないけど、好きとは言えない

c1.png「じゃあ、今なや美ちゃんはどうしたいか、どうなりたいか言える?」

n1.png「ありえないけど、人と関わらないで、寂しくない状態になりたい。不安もなくしたい」


かうんさるーより一言
c3.png「ここでもない、あっちでもない、そっちでもない」


悩んでいる人の中には、「〜ない」という考えや口調が身についてしまっている人がいるよ。それを仮にモンキークリニックでは「ない思考」と呼んでみようと思う。「not思考」でもいいよ、好きなように名付けて意識してみてね。

「〜ない」というのは否定形だからあまり使わないようにしたい、と思っている人はいたりするんだけど、否定形だからという理由より、もっと意識してほしいことがあるよ。それは「〜ない」とは、「除外の表現」だということ。除外ってことは、裏を返せば特定していないってことで、例えばボクなら、「ボクは人間じゃない。犬でもないし、馬でもない。猫でもなければ、ウサギでもなくて・・・」という感じね。じゃあボクは何かというと「猿だよ」って言うことで初めて特定できるわけで、つまり、「〜ない」といくら言っても、ちゃんとそのものを表すことはできないってことを知ってほしいんだ。

これをやっていると落ち込むことにもつながるよ。再度、ボクを例にするね。「ボクは、医師じゃない。弁護士でもないし、消防士でもない。教師でもなければ、歌手でも、お笑い芸人でもなくて・・・」。そう思うと、「あれもできない、これもできない、なんてダメな奴なんだ」と気持ちが沈んでいきそうになるよ。だから、なるべく「ボクは臨床心理士だ」と日々意識することを心掛けているんだ。こういう意識は「アイデンティティ」と言われていて、自分を保ち、人生をどうやって生きていくかということに影響するね。

さて、気持ちについても、「〜ない」はなるべく控えていきたいもの。「これはやりたくない、あれもやりたくない」っていくら並べても、何がしたいのかということを表すことはできないからね。「あれは嫌い、これも嫌い」では、何が好きなのかいつまでもわからない。それでは、自分が何をしたくて、何が好きなのかっていう自分らしさ(これもアイデンティティ)が身につかないよ。

「〜ない」という表現は、使っちゃいけないわけじゃないけれど、使いどころをわきまえていないと、何が言いたいのかわからなくもなるよ。今、「使っちゃいけないわけじゃないけれど」ってあえて書いてみたけど、それより「使ってもいいんだけど」と書いた方が、ほんとはシンプルでわかりやすい。そういうのをわきまえて文章を書いたり、話したりできるようになると、混乱したり悩みすぎたりすることがなくなるかもね。

以下、「〜ない」の代表的なものと、言い直す時のコツ。
・わからない ⇒ わかってることは何だろう
・できない ⇒ どこまでできただろう
・やりたくない ⇒ やってもいいことは何だろう
・意味がない ⇒ 今は意味がなくても、やっておいたらいつか意味をもつかもしれない
・嫌いじゃない ⇒ 好きだ
・考えられない ⇒ 考えることはできる
・言えない ⇒ 結果が悪くなりそうなので言わないけど、言おうと思えば言える
・動けない ⇒ 最後まではできなそうだけど、第一歩として何かはできる
・何もしてない ⇒ 何かはしたはず
・悪くない ⇒ 良い

もっと具体的に書くと次のようになるね。
・「一週間とくに何もしなかった」は、「寝た」「起きた」「立った」「食べた」「何か見た」「何か思った」に言い換える。
・「何もしたくない」は、「休みたい」「寝ていたい」「のんびりしたい」に言い換える。
・「できませんでした」は、「考えてはみた」「取り組んではみた」「ほんの少しはできた」に言い換える。

つまり、
・何があるか、何をしたか
・どこまでできるか、どの程度できているか
・否定形を使わずに言い換える
みたいなポイントをおさえておけば、「〜ない」という表現は改善されるかも。

ここまで読んだ人は、こんな風に思えるかな?
「このサイトを見つけることができた。読んでみようと思った。いろんなことを考えることができた。気がついたこともあった。最後まで読むことができた」
こんな風に「ない」より「ある」ことに目を向けて物事を捉えられるようになったら、不必要に落ち込みすぎたりしないで済むようになるはず。


追記
「お金がない」って言うけれど、本当にお金がない人には会ったことがないよ。お金がないというのは、貯金も手持ちも0円ってことだからね。「時間がない」と言うのも同じ。「お金がない」や「時間がない」は認知の歪み。「お金が少ない」「時間が少ない」なら認知は歪んでないけど、もう一歩のところ。「お金が少しある」「時間が少しある」となるように考え方を治していけたらいいね。
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