自閉症スペクトラム障害(ASD)

nt2.png「自閉症スペシウム光線って何?」

t1.png「自閉症スペクトラム障害ね」

nt1.png「あーそうとも言う」

t2.PNG「自閉症からアスペルガー障害までをグラデーションのように連続体として捉えようってこと」

nt3.png「グラデーションって言ったら虹じゃん。虹って言ったらやっぱりスペシウム光線じゃん」

t3.PNG「どんな理屈よ。ウルトラマンから離れなさいよ」

nt2.png「うるさい、屁理屈怪獣ピスコドン。くらえ、スパイダーフラッシュローリングサンダー!」


かうんさるーから一言
c3s.png「ちょと待ってちょと待ってお兄さん、そこはスペシウム光線ちゃいますのん」

さてさて。2013年からアメリカ式の精神疾患の分類の仕方と診断名が一部変わったよ。アメリカ精神医学会が出しているDSMという診断基準がバージョン4からバージョン5になったということね。今更感はあるけれど、その中で比較的大きな変更だなぁと感じたものを紹介するよ。ただ、アメリカ式のDSMという診断基準が全てではなくて、日本での診断名はICDという世界保健機関の方に従っていることが多いはずなので、日本ではすでに受けている診断名が急に変わるってことはないから安心してね。

では、DSM-5からアスペルガー障害という診断名がなくなり、自閉症スペクトラム障害という診断名とコミュニケーション障害という診断名に分けられたことについて(ICDの方では、アスペルガー症候群というのはまだ残っているので誤解しないようにね)。

DSM-4の診断名であるアスペルガー障害は、(1)コミュニケーション、(2)社会性、(3)想像力、の3つの内2つに障害が出ている時に診断されていたんだけど、DSM-5の診断名である自閉症スペクトラム障害では、(1)と(2)は1つにまとめられて診断時必須項目に、また(3)も診断時必須項目になったんだ。つまり、(A)コミュニケーションや社会性、(B)想像力、の2つの内2つともに障害が出ている時のみ自閉症スペクトラム障害と診断されることになったということ。一見、診断名がアスペルガー障害から自閉症スペクトラムに変わっただけのように思ってしまうけど、そうではないんだ。

まず、(1)コミュニケーションと(3)想像力の2領域、または(2)社会性と(3)想像力の2領域に障害があることによって診断されていたアスペルガー障害の場合は、自閉症スペクトラム障害に問題なくスムーズに移行できるよ。

一方、(1)コミュニケーション、(2)社会性、の2領域に障害があることによってアスペルガー障害と診断されていた人は、自閉症スペクトラム障害という診断名には移行しない。(A)コミュニケーションや社会性に障害が出ていて、(B)想像力に障害が出ていない場合には、自閉症スペクトラム障害ではなく、コミュニケーション障害という診断名になるんだ。ここが新鮮だね。

つまり、この(B)の想像力の障害、の有無が自閉症スペクトラム障害かコミュニケーション障害かの鑑別ポイントになるってわけ。「想像力の障害」とまとめてはみたけど、実際には、「常同性」とか「変化という刺激に著しく弱い」という方が近いかもな。予定していないことや、予想外のこと、知らないことがとにかく苦手。いくつか例を挙げるよ。

・柔軟性に欠ける
・順序等にこだわりすぎる
・儀式的であったり常同的で反復することを好む
・興味関心の幅が極端に狭い
・特定の感覚に対して過敏であったり鈍感であったりする

逆に、「今回のバージョンからは、こうした特徴を持たなければ、アスペルガー障害とは言えないということにしましょう」と変更されたわけ。今まで考えられていたアスペルガー障害より範囲は狭くなるね。

今現在、自分はアスペルガー障害なんじゃないかとか、家族がアスペルガー障害なんじゃないかと心配になっている人は、アスペルガー障害だけじゃなくて、自閉症スペクトラム障害やコミュニケーション障害というのも調べてみる必要が出てくるので、覚えておくといいね。

それにしても「アスペ」という言葉がなくなると考えるとなんだか寂しいな。もともとはアスペルガーさんという人の名前からとった診断名なんだけど、その略された3文字には「素っ頓狂な感じ」とか「でも憎めない、ややかわいげのある響き」が含まれているようないないような絶妙な語感だった気がするので。アスペ。

だからどうした?という人もいるかもしれないけど、こういう変更っていうのは、案外いろいろ影響あるんだよ。覚え直すの大変だし。ネット上では、「あいつアスペじゃね?」みたいに安易に間違った使われ方をしていたことが多かったけど、これからは次第に減ってくるはず。逆に、もともとはネットスラングとしてすでに使われていた「コミュ障」という言葉の使用が今以上に増えてくるはず。自閉症スペクトラム障害は、想像力の障害がハッキリしている場合にだけ診断されるようになるはずだからあまりメジャーではなくなっていき、その他の曖昧なものが全て「コミュ障」という言葉に集約されて膨らんでいくんじゃないかと思うわけ。でも、「コミュ障」って耳障りだよね。言葉にトゲがある気がする。

いや、まてよ?!(自)閉症(スペ)クトラム障害だから、もしかしたら、「アスペ」に変わって、「自スペ」という言葉が広まるのかも!そうしたらあまり語感は変わらないな、いやでも、ブツブツ・・・。

そんなことはさておき。

話は変わるけど、ここで一つ、簡易的な想像力の障害の見分け方を載せておくよ。発達途上の子どもには当てはめないでね。

「ジャンケンポイポイどっち出すの(どっち引くの)、こっち出すの(こっち引くの)」というやり方のジャンケン遊びがあるよね。例えば、次のような手になった時を想像してみよう。

自分:パーとグー
相手:グーとチョキ

想像力の障害のない人は、相手がグーを出しそうだなと思ったら自分はパーを出すし、相手がチョキを出しそうなら自分はグーを出そうという判断をする。あるいは、グーを出しておけば、勝ちか引き分けしかないと考えてグーを出す。自分が出すのものは、相手との勝負ということを踏まえて出すということだよね。でも、想像力に障害がある人は、自分の手にあるパーとグーだけを見て、強いほうのパーを出してしまいがちなんだ。「だって、パーとグーだったらパーの方が強いじゃないですか」という理屈。あるいは「相手だってグーとチョキなら強いほうのグーを出しますよね、じゃあ自分はパーを出したほうがいいじゃないですか」という感じ。おかしい考え方なのがわかるかな?。

「自分のパーを狙って相手がチョキを出すかもしれない」という想像が瞬時にはできないんだ。ゆっくり説明されればわかるんだろうけど、瞬時に相手の考えを想像するってことが非常に難しいらしい。

この「すぐに相手の身になって考えられない」感覚や考え方が、健常者には理解できないかもね。「そんな想像、普通できるでしょ?」とか、「なんでそういう自分中心の発想になるのかわからない」とか思っちゃうだろうし。でも、そういう当たり前のことができない人がいるんだよ。だからこそ、障害なんだよ。そして、障害っていうのは、バカにする対象じゃないんだよ。本人が結構大変な思いをするものなんだよ。もしそれがわからずに「アスペ」とか「コミュ障」とかバカにするために使うなら、どんなに健常者であっても、その人のほうが何か心に障害を抱えているような気がするよ。略す時は、気をつけて侮蔑的な意味を込めてないか、自問自答してみようね。

アスペルガー障害、自閉症スペクトラム障害、コミュニケーション障害。さらにそれらは、グラデーション的なものだという。一般の人は、ネットでどんなに情報を仕入れても、判断できるはずないね。なぜなら、そこだけ詳しくなっても、その他のものとの区別ができないから。全体的な知識があってはじめて、何かを特定できるということを踏まえて、自分だけで最終判断をせずにちゃんと専門家のところに相談に来るといいよ。
この記事へのコメント
あ、ニートンだ。探してたんですけど、やっと出てきてくれましたか。ニートだけに?(笑)

>「想像力の障害」とまとめてはみたけど、実際には、「常同性」とか「変化という刺激に著しく弱い」という方が近いかもな。予定していないことや、予想外のこと、知らないことがとにかく苦手。

実感としても、正にその通りです。ただ「想像力の障害」とだけ思われてしまうと、色々誤解を招きそうだと思います。

じゃんけんぽんぽんの例でも、全てのパターンを記憶してしまえば、カマかけたりとか駆け引きもできる人も居るはずなんですよ。でも私はあまり興味無いので、今回の例えで初めてまともに考えようとし、その結果、自分はパーとグー、相手はグーとチョキだから、相手がグーを出すなら自分はパーで・・・と脳への「入力」と「思考」を並行して行おうとするだけで、軽く頭痛がしそうな程にストレスがかかる訳で。でも、脳内記憶だけで思考できれば、ストレスなく考えられるんです。

ですから、自身の脳機能はそういう特性があると割り切った後は、脳内へのデータ収集と、脳内データで思考する事を分けて考え、交互に行う事でなんとか仕事できるようになった感じです。スピードを求められる時はその切替を高速で行う必要があり、結果頭痛がしたりしますが、しょうがないですよね。

この障害の名前も、10年程度で2度も変わってますよね。アスペルガー症候群→アスペルガー障害→自閉症スペクトラム障害・・・あまりコロコロ変えないで欲しいんですが、研究が進んで定義を改める必要に迫られたら、仕方ないですよね。でも、ASDでなくてもついていけるのでしょうか?
Posted by ASなろ at 2015年03月11日 03:10
ちなみに、ただ「想像力の障害」とだけ思われてしまうと、色々誤解を招きそうだと思う理由がありまして、

主体性の記事で、折り紙の例が出ていましたが、子供の頃、ΖΖガンダムが好きで、両端を持って背面の真ん中を押すと口ばしのようなのが開く、カメラの折り紙を3個作り、それで変形合体ロボもどきを作った事があります。

つまり、そういう風に想像し、創造する能力はある訳です。
また、漫画を読んだり、お笑い番組を見て笑ったりする感情もあります。
だから、勿論人の気持ちくらい分かると、自他共に勘違いしがちなんです。
後になれば言われた意味が分かる事とかもあったので、尚更「やればできる」「できないのにしない」みたいに思われる事もあります。
でも、「想像力の障害」て、そういう事ではないんですよね。

そういう意味で、

>「想像力の障害」とまとめてはみたけど、実際には、「常同性」とか「変化という刺激に著しく弱い」という方が近いかもな。予定していないことや、予想外のこと、知らないことがとにかく苦手。

>ゆっくり説明されればわかるんだろうけど、瞬時に相手の考えを想像するってことが非常に難しいらしい。

このように理解して頂けるのは、本当に嬉しかったです。そのように、障害の本質の理解が広がっていく事を願います。
Posted by ASなろ at 2015年03月13日 01:06
「三つ組の障害」に倣うと「想像力の障害」と書かざるを得ないのですが、わかりづらいですよね。

例えば、一人で「空想」することのような「自己完結する想像」なら問題は起きないのですが、他人が関与している時には「想像が的を射てない」ことでトラブルになる場合が多くて、社会の中でうまくいかない。加えて、的外れな想像なのだということに、自分一人では気がつけないので、考えや行動が変に凝り固まってしまうということが起きる。つまり、ジンクスや迷信のように、関係のない物事2つを結びつけて、一般的な他者には理解しがたい行動パターンを身に着けてしまう。それが、「固執性」「こだわり」あるいは「強迫的」といわれる特徴なのです。

そういうのをひっくるめて、想像力の障害と呼んでいる現状ですね。
Posted by モンキークリニック所長 at 2015年03月20日 22:33
こんばんは。

「想像力が働かない」って、ホント「自己完結」の世界だなと自分自身思います。

相手にも、立場や、都合や、感情があるのは当然なのに、頭が、心が、全くそっちにいかなくなって、一人相撲みたいなことになってしまいます。

自分で書いた筋書き通りでないと、スムーズに行動・会話等ができなくて、そこに相手の入る余地がないんです。
自分の考えた型にうまくハマるなんて、100回に1度も無いことなのですが…(>_<)

そうやって、人とかみ合わなくて、孤立しがちで、関心のはばも狭いと、情報もスムーズに入ってこないので、ますます独りよがり憶測の域での言動となってしまいます。
イマイチ情報が乏しいから、曇り硝子越しに周りが見える感じで不安にもなります。

最近指摘されるまで、
「自分が発する言動は、自分が想像してるよりはるかに、相手に影響を及ぼす」
ということを知りませんでした(>_<)
自分が考えているよりはるかに、相手は不快に感じたり、傷ついたりしてるのですね…。

…内容がズレていたら、スミマセン。

Posted by ダイオウグソクムシ(・Д・)ノ at 2015年04月05日 22:54
曇り硝子越しという感じなのですか。なるほど、とてももどかしいですね。苦労されていることと思います。
指摘されて落ち込むことも多いでしょうけれど、落ち込みすぎず、教えてもらえたことで行動を変えていけると前向きに捉えていけるといいですね。
コメントありがとうございました。
Posted by モンキークリニック所長 at 2015年05月01日 09:54
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]
※所長とカウンセリングをしているクライエントが書き込んでしまうためコメントの受付を停止しています。

この記事へのトラックバック
サイトの説明
モンキークリニックはインターネット上にしか存在しない架空の名称です
MONKEY(モンキー):[名]小型の尾のある猿 [動]ふざける
CLINIC(クリニック) :[名]臨床講義/臨床教室/診療所
このページではパーソナリティ障害,人格障害,治療,カウンセリング,臨床心理,心理士,心理療法,精神疾患,発達障害,統合失調症,気分障害,うつ病,双極性障害,躁うつ病,気分変調性障害,ディスチミア,心的外傷後ストレス障害,PTSD,急性ストレス障害,適応障害,解離性障害,不安障害,パニック障害,強迫性障害,恐怖症,摂食障害,拒食症,過食症,依存症,身体表現性障害,性同一性障害,失調型パーソナリティ障害,スキゾイドパーソナリティ障害,妄想性パーソナリティ障害,境界性パーソナリティ障害,自己愛性パーソナリティ障害,演技性パーソナリティ障害,ボーダーライン,BPD,反社会性パーソナリティ障害,回避性パーソナリティ障害,依存性パーソナリティ障害,強迫性パーソナリティ障害,注意欠如多動性障害,ADHD,学習障害,LD,自閉性障害,自閉症,アスペルガー障害,家庭内暴力,ドメスティックバイオレンス,DV,モラルハラスメント,セクハラ,パワハラ,いじめ,ひきこもり,アダルトチルドレン,ミスターチルドレン,リストカット,オーバードーズ,ODといった概念について猿なりに解説しています。
臨床心理士各位
内容に多少の脚色や都合のよい解釈、偏った意見などが見られると思いますが、まずはどんな方にも興味を持って読んでもらえないと意味がないと考えてのことです。大目に見てくださいますよう宜しくお願い申し上げます。 カウンセリング普及プロジェクト
カウンセリングはかっこわるくない!

キーワード

パーソナリティ障害

カウンセリング

臨床心理士
ひきこもり
モンキークリニックロゴ