自己愛憤怒

k1.png「こんなに頑張ってるのに誰も認めてくれないなんておかしいわ!(プンプン)」

n1.png「化粧じゃなくて、仕事頑張れよ」

a1.png「なんでお前ら、俺の偉大さがわからないんだ!(フガフガ)」

n1.png「いや、みんなわかってるよ、あんたの体型は肥大だよ」

c2.PNG「なや美ちゃんはもう少し相手の気持ちを考えて話した方がいいと思うよ」

n3.png「わたしは相手のためを思って本当のことを言ってるのに、そんな言い方ひどい(ムッ)」

c1.png「ああ、確かに今の言い方はなや美ちゃんの気持ちを考えてなかった。ごめんよ」


かうんさるーから一言
c3.png「褒められたがる人ほどよく怒る」

自己愛憤怒とは、自己愛が傷ついた時の不適当なほど強い怒りのこと(『自己愛と恥』も参考に)。自己愛憤怒は、大きく分けて2つあるよ。

1つは図星を突かれた時の怒り。
特に誇張することもなく事実を伝えただけでも、それが相手の気にしていることだと、「なんでそんなひどいことを言うんだ!」という反応をされてしまったりするよね。恥を感じると自己愛っていうのは傷ついて泣きたくなってしまうんだけど、そんな弱い自分を見たくないし、人に見せたくもないから、その恥を覆い隠すために人は怒ってしまうことがあるってわけ。例えば隠しておきたいコンプレックスをずばり指摘されちゃった時とか、「やるやる言って、やらないよね」みたいに痛いところを指摘をされて怒るのが自己愛憤怒の1つの形。

もう1つは、相手が自分の思い通りに動かなかった時の怒り。
自分が何かを頑張った時、それをほめてもらえないと、「不当な扱いをされている」と頭にきたりする。また、自分の意見が採用されたなかった時、「軽く見られている」と感じてしまい、相手が何もしていなくても、いや、自分の意見に耳を傾けず何もしてくれないからこそ自己愛が傷つき、それを覆い隠すために怒ってしまう。

つまり、自己愛憤怒とは、自分の存在価値を守るための自分都合の怒りなんだ。

自分は正しい存在なんだから、他人から指摘なんかされないはず。自分は正しいことを言っているはずだから、相手は自分の言う通りにするべき、または、自分のことを褒めるべきだ、と思ってしまう。ひいては、自分は正しいのだから、この怒りも正当なものだという認識になるので、「怒ることじゃなかったかなぁ」なんて振り返ることは稀。

「怒りという感情」と「怒りの表出」は別物だよ。
怒りはちゃんと感じよう。そして、怒った方がいい時に怒る。自己愛憤怒かもしれないと思ったら怒りは相手に向けない。その区別をしていこう。区別の仕方は、「された」場合は怒っていい、「してくれない」場合は怒ってはいけない、と覚えておくくらいでちょうどいいよ。

自己愛憤怒の例をいくつか挙げておくよ。

【連絡】
「どうして連絡してくれないんだ」、「どうして返事を返してくれないんだ!」と激しく問い詰めながら怒るのは、「してくれない」ので自己愛憤怒。あたかも、3歳児が「抱っこして」とか「見て、見て」と繰り返し要求し、親がそれに応じないと手足をバタバタさせて泣いて怒るかのよう。子どもにとって親は自分の一部で、いつでも自分の要求を満たしてくれる存在だから、その年齢の時はそれでいいんだけど、大人になっても3歳児のような怒り方をするのはまずいよね。他人は親じゃないから、望むようにしてくれない方が当然なんだ。こういった怒り方をするのは境界性パーソナリティ障害の人に多いね。

【質問】
質問に答えてもらえないと「無視された」と言って怒るのも自己愛憤怒。「された」だから怒っていいんじゃないかと思うだろうけど、返事を「してくれない」というのが本質なので、それも自己愛憤怒なんだよ。天皇、総理大臣、知事、市長、芸能人なんかに手紙を送っても返事なんか返ってこないことは知っているはずなのに、身近な人に対しては、質問したら答えてもらえるものだと勘違いしている。質問に対しては答えないのが普通で、答えてもらえたら、ありがたいって話だよ。怒るところじゃない。

【夫婦】
妻が夫に、「何もしてくれない」、「何も言ってくれない」と怒るのも自己愛憤怒。逆に、夫が妻に「どうして俺の言っていることがわからないんだ!(どうしてわかってくれないんだ)」と怒るのも自己愛憤怒。夫から妻への自己愛憤怒は力関係でDVという形になりやすい。

「お前の暗い顔が、俺をイラつかせるんだ!」
「何度言ってもわからないなら、怒るしかないだろう?!」

どうして俺を立てないんだ、なんで俺の言うことをきかないんだ、俺がこんなに説明してやっているのに、お前は全くわかろうとしない。俺のことが大事なら、愛してくれているなら、なんだってしてくれるはずだろう?そんな風に、「してくれない」を「された」と捉えて怒ってしまうのが、自己愛性パーソナリティ障害の思考の特徴の一つ。怒りを他人のせいにしてはいけないね。怒りは相手に引き起こされるものではなく、自分が引き起こしているものだと認識することが大事だよ。

【親子】
子どもに怒りすぎる親も然り。どうしてわかってくれないの、なんでママの言う通りできないの、というのも自己愛憤怒。実は、子どもは悪いことをしていない場合がほとんど。本当は子どものせいではなく、子どもを思うようにできない母親の自己愛が傷つき悲しくなっているということに気がついていない。虐待とまではいかないが、「なんで」「どうして」と泣き怒りする母親は、子どもの自尊心を低下させ、のびやかな心をつぶしてしまうのでカウンセリングを受けておこうね。

【職場】
「お前のことを思って、厳しく言ってやってるんだぞ!」なんていう上司の怒りも、自己愛憤怒。こんなにしてやってるのに、なんであいつはわからないんだ。恩を仇で返すような真似しやがって。「どうして恩返しをしてくれないんだ!」という自己愛憤怒が、パワハラにつながるんだね。

DV、虐待、パワハラ。どれも自己愛憤怒が関係している。

ほめてもらえないという理由では怒らないこと。
質問に答えてもらえないという理由でも怒らないこと。
わかってもらえないという理由でも怒らないこと。
思うようにしてもらえないという理由でも怒らないこと。

頭にくるなぁ、と思うのは自由だけど、相手には相手の権利があるということを理解し、怒りをそのまま相手にぶつけることを正当化するのはやめようね。

でも、怒りを全部我慢しろって言ってるんじゃないよ。必要な怒りを必要な怒りの表現方法で出そうってことだからね。もし、これを読んでも自分の怒りが自己愛憤怒かどうか判断がつかないようなら、カウンセリングを利用することを考えてみてね。

れた思考』を意識しておくと、されたと思ってることのほとんどが、実はされていないということに気がつけるようになるので、日常場面で怒るなんてことはかなり少なくなってくるはずだよ。理屈ではわかっても、実際に身に着けるのは大変だろうけど、今後の自分のために身に着けておきたいね。ではまた。
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